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【学校】中学のときに肉体関係のあった女の先生と 高校編【告白体験談】

カテゴリー:学校での告白体験談
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じゃあ、高校からオレの上京辺りまでの話を書きます。



オレは無事第一志望だったE高校に合格した。

U美の住む街にあるたった一つの高校に合格したことを伝えると、U美は自分の事のように喜んでくれた。

4月になり、入学。初めて会う友達、初めて見る環境…。凄く刺激的だったなあ。

U美に宣言した通り、オレは野球部に入部した。

E高校野球部は強くもないが弱くもないレベル。

一応進学校をうたっていたので、練習は量より質みたいな感じだった。

中学で死ぬほど練習させられ、自分の時間など殆ど持てなかったオレには、

あまりに余りすぎる時間を与えられることになって、正直その時間をどう使えば良いか分からなかった。

平日だとU美も忙しくて会えない…。



「な〜んか暇なんだよね」高校生活に慣れた頃の日曜だったと思う。

オレはいつものようにU美と会っていた。一戦終えてベッドに横になり、怠そうに話した。

「学校始まっていきなり?(笑)いけませんねぇ(笑)」いつものようにオレの肩口に頭を乗せてU美が言った。




「何か、時間持て余してるんだよね」

「それを勉強に当てれば?(笑)」まあ言う通りなんだけどw

ついこの前まで受験勉強してたのに、引き続き勉強なんて、志の高くないオレには苦痛そのものだ。

「何かさあ、こう鬱憤を吐き出せるようなことはないかなぁ…」

「もうすぐ、夏の大会始まるんじゃないの?」確かに高校初の夏の大会が迫っていた。

「いきなりレギュラーなんでしょ?」先生が顔を動かしてオレを見つめる。この顔が何とも可愛い。



E高校には、Y中の同級生で野球部のレギュラーだったのがオレの他に3人いた。つまり合計4人。

みんな夏の大会からレギュラーほぼ当確だった。

「何だっけ?ボール違うんでしょ?軟式から硬式だっけ?それはもう慣れたの?」

「うん…まあ…」

「先ずは甲子園を目指せば?(笑)違うことはそのあと考えれば良いじゃない」

というような会話でとりあえずオレは夏の大会までは他の事は考えないようにした。

オレの最初の高校野球の夏の大会は、ベスト8だった。

東北大会2位のY中から、当時レギュラーだった4人が入ってるし、その中にはエースもいた。

まあ妥当な結果かなとオレ達は思っていたが学校は大いに盛り上がった。

夏休みが明けて9月、2学期が始まった。



野球は秋季大会、つまり翌年3月のセンバツに向けた大会が始まっていたが、

特に甲子園を大目標に掲げていないうちの野球部は、至ってごく普通の毎日、つまり暇な毎日だった。

9月の終わりにはオレの誕生日がある。その年はちょうど土曜に当たり、夕方からU美が手料理で祝福してくれた。

「16歳。おめでと〜」メシの席でU美が頭を撫でながら言った。オレは照れ臭かった。

「何か美味しいレストランでご馳走しようと思ったのに、私の料理で良いの?」

「美味いレストランじゃん。ここ」この台詞をU美は相当嬉しかったらしく、苦しいほど抱きしめて、キスをしてくれた。

「16歳の初キスですね(笑)」

「うっせーよ」どうもオレはこういう展開が苦手だ。



「洋菓子苦手だろうけど、今日くらいは食べるよね?(笑)」

「いや…ケーキはちっと…」

「お手製ですけど?」

「(;゚д゚)…………頂きます」

「甘さは控えてあるからね」

「ふーん」オレは甘いとかそんなんじゃなくて、生クリームがダメなんだよぉぉぉぉ!とは言いつつも、

折角のお手製、美味しく頂きましたよ…涙目になりながら…

「今日はセンセの体もプレゼントしちゃいま〜す」何かめっちゃハイ。

「…中古か…」いきなりビンタきた。

「中古とか言うからよ。もういいっ!エッチ無し!」

「ああごめんごめん。U美の綺麗な体を触りたいな」軽く棒読み。

「そそ、分かれば良いのよ」先生は満足そうにオレの背中を押して風呂へ連れった。



いつも通りの風呂、セックス、この辺りは割愛させていただくことにして、

エッチが終わった後のベッドでの会話からリスタート。

「16歳の初エッチはどうだったかな?」

「何でU美がハイなってんだよ。まあ別になるのは良いけど、チンコに噛み付くなよ」

「16歳初の歯型(笑)」冗談じゃねぇ…。

「あ、そういえばですね」

「ん?」

「プレゼントがあるんですよ」

「え?もう充分よ?」

人の言うことも聞かず、U美はベッドの下からゴソゴソでかい箱を引っ張り出した。きちんとリボンが巻かれている。

「さあ、どうぞ」

「でかいなこれ、開けて良い?」U美がコクリと頷いたので、オレは開封にかかった。

「うお、こんなのもらえねーよ」箱を開けるとそこにはアコースティックギターが入っていた。

中学の時にオヤジに教わりギターを少々弾けるようになっていた。



「センセ、これ高くね?」

「値段の事は聞かないの。暇なんでしょ?ギターの練習でもしたら?って思ってね」

「ありがと。大事にするよ」

「卒業までに弾き語りよろしくね(笑)」

「かえるのうたとかなら…」

「もっと今時のだもん」

「へいへい」暇つぶしの道具が手に入り、マジで嬉しかった。

センセの誕生日は11月の頭。

平日で会えなかったので、学校の帰りにセンセの部屋に寄ってドアノブにプレゼントをかけて帰った。

安物の更に安物のイヤリングだったが、先生は本当に喜んでくれた。

センバツの予選は地区大会を勝ち上がり、県大会ベスト4。

あと一歩で東北大会は逃した。そしてオレの高校一年が終わった。



2年になってもオレの生活が変わるような出来事はなかった。

高校野球夏の県予選…ベスト4まあこんなもんだろね。でも来年への手応え的なものは感じていたなぁ。

秋季大会は県大会を淳優勝して東北大会へ。宮城の有名な某高校にボコボコにされてオレのセンバツは無くなった。

その年の誕生プレゼントは、めっちゃ高いモンブランの万年筆。安月給なのに…マジ金食い虫だなオレ。

「お医者さんになったら使ってね」勿論今でも愛用してますよ。

先生にはブレスレットを贈った。

安物なのに、本当にうれしそうな顔で喜ばれると、冥利に尽きる部分あり、申し訳ない部分あり…。

そしてオレは3年生になった。



最後の夏の大会のちょい前、いつものようにU美とベッドで話していた。

「今年が最後ですね。ダンナ」

「ああ…んだねぇ」

「勝算は?」

「オレ達の最初の成績(ベスト8)と、去年のベスト4、

あと秋季の東北大会出た実績で、なかなか優秀な選手が集まったから、いいとこまでいけるかも」

「おお。頑張れ!準決辺りから夏休みだから、時間が合えは応援行くよ」こんな会話をした数週間後、地区予選が始まった。

オレ達は第4シードされていた。順調に勝ち上がる。気付けば決勝まで来ていた。

決勝の宿で、U美がオレを呼び出した。

「凄いね。ここまで来ちゃったね」U美はニコニコしながら言った。

「ああ、自分でも信じらんねーけどな」

「頑張れ。応援してる」そういうとセンセはオレにキスをしてくれた。甲子園、連れてったら喜ぶだろうなぁ…。



夏のクソ暑い日の午後、決勝が始まった。相手は予想通りのT高校。甲子園常連だ。

試合が始まり6回までは動かない緊迫した展開。

しかし7回表相手の攻撃で、フォアボールで出たランナーを送って1アウト2塁、

次の打者に甘く入ったスライダーを左中間に飛ばれ1点を失う。

そのまま9回裏、うちらの最後の攻撃。オレは3番、この大会絶好調だった。

でも3人が塁に出ないとオレには廻ってこない。半ば諦めたが、ツーアウトながら満塁の状況を作ってくれた。

野球で緊張したことなかったけど、こればっかりは緊張したね。

打席に入ってボールを待つ。テンポよくツーナッシング。

確かそのあとファールで何球か粘ってそのあとボール二つ。2ストライク2ボール



次は決め球だと思った。相手のピッチャーはカーブに自信がある。

そのカーブを叩く!オレはカーブを待った。セットポジションから投げて来たボールはストレート…しかもど真ん中。

オレはバットを振る事すらできなかった。

結果、準優勝。甲子園を目標としてなかったオレ達にとって、出来すぎの結果だったのかもしれない。

けど悔しかったなぁ。U美、ごめんな。

反省会が終わり解散、オレはユニホームのままでU美のうちへ。呼び鈴を押す。

「あ、おかえり。お疲れ様」笑って出てくれたU美にオレは救われた。

「ホント、よく頑張ったよ。同じ年代なら追っかけしてたかも(笑)」食事の場を盛り上げようと、

センセは忙しく口を動かしてたな。エッチもとことん優しくしてくれた。

夏休みになり、本格的な受験勉強。予備校とU美に勉強を教えてもらった。



夏の段階で、オレの志望大学への合格判定はDだった。それが冬、受験直前を迎える頃にはBまで伸びていた。

特に英語は稼ぎまくりで、全国の模試で7番取れたことがあった。(英語だけねw他は(´・ω・`))

「結局、どうする?」U美の家での進路相談。とはいえ裸wオレの肩口のいつもの場所からセンセが質問した。

「本命はAあと滑り留めにBCDEを受けようかなと」医大に滑り止めなんて贅沢なもんはオレにはありませんでしたが…。

「全部医学部ね。ご両親は?」

「行くなら金出してやるって」

「感謝しなきゃね」うちはリーマン家庭だから、相当苦しいはずだ。

「国公立は1つか、ここ受かるとお金は楽ね」

「でも本命はAなのね。頑張って。応援するしか出来ないけど、祈ってる」



年が明けて、一気に受験シーズンがやってきた。

まずはセンター試験。大体予定通り。

そしていよいよ本番が始まった。最初に受けた医学部―合格次受けた医学部―合格流れキタコレ(ノ∀`)

で、その次に受けたら不合格、立て続けに不合格。その不合格には、一番の目標にしてた大学があった。

そして最後…ここもその一番の目標と同じくらい行きたい大学だった。

数日後、電報が届いた。―合格―オレは親に見せるより早くセンセに見せに言った。

平日の昼間だから、U美のいる学校まで見せに行った。他の職員がいる中、センセはマジ泣きして喜んでくれた。

マジ泣きしたいのはこっちだわい。ホントありがとセンセ。英語ががっつり伸びたことが勝因なのは間違いない。



2月に進路を決定したオレは、東京に住む家を探しに行くことになった。

ホントは母親と行く予定が、予定の数日前に盲腸で入院。退院はしていたが、大事をとって一人で行く事になった。

オレはセンセに電話した。

「は〜い。引率係引き受けま〜す」日曜だったので、二言返事でOKだった。にしても引率て…。

あとから聞いたらプライベートで東京来た事ねーくせに…。

日曜、朝早くから新居探しへ。学生センターっつーのかな、何か不動産屋紹介してくれるとこ。

そこにまず行ってオススメ物件何件か教えてもらい、一つずつ廻った。

家探しって疲れるのね。2件ほど見たらもう飽きた。ここで良いよってことにした。

「ここ良いじゃん。これロフトっていうのか。おしゃれ〜」U美はロフトに上がって喜んでた。



不動産立ち合いではなかったので、内見を存分にできた。

「ねえ、上がって来てみ」センセがオレをロフトに呼ぶ。オレはハシゴを上った。

ロフトは1Fのフローリングと違い、カーペットが敷かれていた。結構広い。

「おお、いいねここ」オレはロフトにぺたんと座りながら言った。

「ここがやっぱベッドルームになるのよね」

「………かなあ」

「じゃあ、ここに女を連れ込むわけですね(笑)」

「そういうことになりますな。うへへ…」

「……………」

「なんだよw」

「このスケベ、大っ嫌い!浮気者!」浮気者はねーべw

「ここでも一番もらう」そう言うとセンセはオレのジーンズのファスナーをおもむろに下ろした。

「お、おいおい。何すんだよ」さすがにビビった。

「じっとしてるの!」先生はフェラしてくれた。天窓から入る光が、センセの真っ白い顔を照らす。



いつもと違う部屋、服を着たままされるフェラは、いつも以上に興奮した。

まだ何も家財道具が入っていないガラガラの部屋は、センセのくわえるジュポッ、ジュボッという音、

低く喘ぐ声、オレの感じた声までも反響させた。

「センセ、無理矢理やっていい?」くわえながらコクリと頷くセンセ。オレは頭を掴むと激しく腰を振った。

「んっ、んっ、んんっ」腰のリズムに合わせて先生が喘ぐ。オレはどんどん続ける。

「んんっ、んんん…」見るとセンセが大きな目を見開いてオレを見上げている。

その目が涙目になり、オレに何か訴えているようだ。

「まだだぞ。我慢しろよ」苦しいのかセンセはこの言葉を聞いて、オレの腿を叩いた。喘ぎに段々鳴咽が混じってくる。



ガクガクと首を振られ、U美は苦しそうにオレを見つめる。可哀相だと思ってもこの顔が物凄く可愛いし、欲情をそそる。

「ん…、ん…、んぇっ!…」小さな鳴咽が混じり、鼻息が荒い。オレは一気に高まる。

「う…U美、出すからな。お前が始めたんだから責任取って全部飲めよ」U美は苦しくて返事が出来ない。

ただ、オレを見つめる目がyesと言ってるようだった。

目に溜まった涙が腰と頭の振りにより耐え切れなくなってツーッと横に流れた。



「返事は?」苦しそうに鳴咽しながらくわえ続けるU美を、オレは更にいじめた。

「う…んんっ!」頭を前後に振り動かされながら、センセは小さく頷く。

「うんじゃないっしょ?」オレの絶頂も間近だ。

「ん…んぇっ…ふぃ…」口を拘束されながらもU美は必死に『はい』と言おうとしていた。

「…んっ!………」いつものように、オレの発射をセンセは大きな目を更に開いて受け止めた。

ゆっくり頭を振り、袋を優しく揉む。「ん………」ゴクッ。一回目の喉がなった。なお更に搾り出す。

「ん…」ゴクッ。2回目の口に溜まったザーメンを飲み干したときだった。

「んっ!おえっ!ゲホゲホッ」センセが苦しさのあまりチンコを口から抜いてむせり出した。

「…いつにも増して多いよ…ゲホッ」苦しそうにセンセが言った。

ツーッと口から唾液とザーメンの混じった白い液が垂れる。



「あ、カーペットにこぼしちゃった」ようやく息を整えたセンセがカーペットの染みを見て言った。

「あ、もうこの部屋に決めるしかなくなっちゃったじゃんか」

まあこぼさなくても、歩き疲れて面倒だったオレはその部屋にするつもりだったんだけど。

「ごめんなさい…。でもあんなに出すのが悪いんだもん。私の口には入り切らないんだもん」

冗談で言ったオレの言葉に、センセいはムキになって言い訳した。

「ごめんな。いつも飲んでくれるのにな。苦しいでしょ?」オレは素直に謝った。苦しい思いをさせてる罪悪感があったし。

「ん…。分かれば良いの(笑)生活する前に部屋汚しちゃってごめんね(笑)」

センセはごそごそとバッグからポケットティッシュを出してオレのチンコを拭いた。



「…入れる?」拭いてもらいながらオレは聞いた。オレだけ気持ち良くしてもらって申し訳ない。

「ううん。早く契約しにお店にいこ。私はうちに帰ってからで良いや(笑)」

「うち着いたら疲れて起たねーかもよ?」

「大丈夫。無理矢理にでも起たせるもん(笑)」こえーよ…。

一抹の恐怖を感じながら、オレは不動産屋で契約し、地元へ帰った。

朝早く出て、2件+紹介業者と不動産しか歩いてないのに、地元に着いたときは真っ暗だった。

「さ、うちでご飯作ったげるね」センセに促されて助手席に乗る。

「あ、あの…、マジでオレ疲れちゃったから…」オレは遠回しにセックスを拒否した。

慣れない土地に行ったからか、酷く疲れていた。

「大丈夫よ。寝てれば私が勝手にやるから(笑)」

「…痴女ですか?」

「恩師に向かってひっどーい!」



「ああ、ごめんごめんw」

「もうさ、そんなに会えないじゃん。カウントダウンなんだよ…」ハンドルを握りながら、突然センセはしんみりと言った。

「何で?そりゃ東京に出たら会える回数は減るかもだけど、でも帰れる時は帰るし…」

「…そうだね。ごめん」今思えばセンセはもう決めてたんだろうな。オレの上京=別れにしようと…



それから3月の春休みまで、お互い忙しい時間でなかなか会えなかった。

オレは新生活への準備で母親と買い物三昧。センセは学年末の処理。

卒業式の後、センセに会いに行ったら、学年末試験の採点手伝わされたな。

「おベンキョしなくて良いって楽しいでしょ?(笑)」

「ああ、毎日最高の日々だな」本心だった。



「それはね、多分ずっと勉強頑張ってきたからこそ感じれる気持ちなんだと思うよ」赤ペンを走らせながらセンセが言った。

「ああ、なるほどねぇ。さすが年上、達観してらっしゃいますな」

「またそうやってふざける(笑)」先生はにニコリと微笑んだ。

「…でも、もう教えられること何も無くなっちゃった…」

急に淋しそうな顔になり、ポツリと言ったこの一言が、何かオレの胸にずっと残ってる。

それから暫くは赤ペンの走る音だけが部屋を覆った。

「…言い忘れてた。卒業おめでと。進学おめでと。新しい道、頑張るのよ」

まるで祝福とは正反対のようなトーンで、センセが言った。



「あ、ああ、ありがと。何もかもセンセのおかげだから」本心だった。

この人のおかげでオレは自分の曖昧だった夢をしっかり掴む足掛かりを得ることが出来た。

「そんな…S君が頑張ったからでしょ。教え子ながら良くやったわ。ホント頑張ったね…」答案用紙がポタッと鳴った。

泣いているらしかった。

「私は幸せ者かもね。普通なら中学の姿までしか見れない生徒を、高校まで、しかもこんな近くで見てこれた。

その生徒の夢の第一歩を見ることが出来た。そしてその一歩を掴んだのは私のおかげだと言ってくれる…」

そのあとの言葉は泣いてて聞き取れなかったけど、オレもつられて泣きそうになったことは覚えてる。

「さ、早く採点終わらそうよ」やけに明るい振る舞いでオレは言った。

しんみりするとオレも泣きそうになる。何気にオレは涙腺が弱い。



その年の3月の最後の日曜日にオレは引っ越すことになった。

オヤジの友達が運送業をしているので、その人に荷物の運搬を頼んだ。

引っ越し前日、昼過ぎに荷物を全て積み終えた。

明日のこの時間は、オレはここにはいないんだな…。

良く晴れた日の空を見ながら、オレは何となくぼんやりとそんな事を考えていた。

夕方、友達が送別会を開いてくれるということにして、オレはセンセと待ち合わせをしているKへ向かった。

数日前には、マジで友達が送別会を開いてくれていた。

おかしいと疑問をおフクロも感じたようだったが、行ってらっしゃいと見送ってくれた。

玄関のドアを開け、家を出ようとするオレ。

「彼女によろしくね(笑)」背中におフクロの声がした。



やっぱ親は凄い。ちゃんと気付いてたらしい。

「そ、そんなんじゃねーし」オレはギクリとしながら言った。

「そうなんだ。アンタはモテないんだから、遠距離恋愛を何とかお願いしますって頼み込むのよ(笑)」

全くオレの言葉を信用しない母。そんな母も、まさか相手が10も年上の、しかも恩師だと知ったらどうなったであろうか。

オレは定刻より少し前にKに着いた。センセはもう来ていた。

オレを見つけると微笑んで手招きする。オレは正面に座った。

「いよいよ新生活ね(笑)」

「ああ…」

「新生活を迎えて、感想はどうですか?」センセはいつもの如くインタビュアーの真似をした。



「いや、別に何も…」オレは照れながら言った。

「東京で頑張るのよ?都落ちしたら許さないかんね(笑)」

「センセが作ってくれた道だからな。ちゃんと大事に歩くわ」

「バ、バカっ!泣かせるんじゃないの!…ガキのくせに…」センセは俯いた。オレは本当に心から感謝していた。

「S君…、大人になったね…」センセがポツリと言った。

「は?今ガキって…」

「これなら大丈夫。東京に行っても必ず恋人が出来るよ(笑)」微笑んでいたが、何となく悲しそうに見えた。

「ベ、別にそんなのいらねーし…」

「ふふっ。じゃあ出ようか。カラオケ行きたい」

「…ほいほい」オレ達は席を立った。



二人でセンセの部屋の近くにあるカラオケボックスへ。いつもより何倍もはしゃいで唄うセンセ。

「ほら、間隔空けないの。どんどん曲入れるの!」

「へいへい」今思えば、寂しさを自分で打ち消したかったのかな。

退室の時間になった。

「ね。まだ時間ある?付き合ってほしいとこあるんだ」

「ん?いいよ」明日からはなかなか会えない。オレは朝までいろと言われても従うつもりだった。

店を出ると、センセはコンビニに寄って軟球の形をしたゴムボールを買った。

「キャッチボールしよ。一回S君としてみたかったの」センセは車に戻り、ボールをオレの手に置きながら言った。

「ちゃんと捕れんの?wコレだって当たると痛いよ?w」

「そこまで鈍くないもん!」……鈍いくせに…。



近くの公園で二人は車を降りた。夜も9時を回っていた頃だったと記憶している。

そこは白色灯が眩しいくらい明るい公園だった。

「へっへっへ…。私結構上手くない?」ボールをキャッチしながらセンセが言った。

「ああ、上手いね」

「ねえねえ。S君みたいに恰好良く投げるのはどうやるの?」

「…それでいいんじゃね?」教えるのメンドすぎる…。

「ちゃんと教えるの!」

「へいへい。ったくメンドくせーな…」先生に近寄り、フォームを教える。

「肩で投げんじゃねーんだよ。腰の回転をだな…」

「うんうん…」言われた通り、何回もフォームを確認するセンセ。

「なるほど。わかった。じゃあカーブはどうやるの?」

「は?普通に投げれない人には10年早いですよ。それにオレピッチャーじゃないし…」



「良いじゃん!教えるの!英語教えてやったでしょ!」んな無茶苦茶な…。

「だからぁ、オレよく知らねーけど、ここに指引っ掛けて、投げる時こう捻るんだよ」

「よしよし、わかった!じゃ、離れて離れて」元の位置に戻るオレ。

「しゃがんで〜」

「へいへい」センセは振りかぶって投げてきた。

「お、良い球ですね。ストライク。コレは手が出ませんな」山なりのボールをキャッチしてオレは言った。

「曲がった?」

「曲がってねーけど、ストライクゾーンには入ったな」

「それじゃダメ!もっかい!」ストライクはどうでも良く、カーブさせたいらしい。

「えいっ!」また山なりのボールが来る。

「お、ちょこっと落ちた」

「ホント?やった!コツ掴んだ!」センセは喜びながら何球もカーブを放ってた。



「はい。じゃあ次はS君ね。思いっきり投げてみて」

「は?取れるわけねーだろ」

「じゃあ、私バッターで立つから、投げてみて」

「だからオレピッチャーじゃねーって…」

「良いの!早く!」

「当たったらいてーぞ?」

「平気。ずっと見てきたS君の球近くで見てみたい」

「じゃあ…」オレは振りかぶった。センセに当てないようにを第一に低めを目掛けて投げ込む。

ボールは狙い通り、構えるセンセの真ん中低めを通過し、奥の壁に跳ね返った。パシーンという軽い音が響く。

「すごーい。速いね〜。何でピッチャーやらなかったの?」目を丸くしながらセンセが言った。

「こんなんでなれるようなもんじゃねーの。ピッチャーと4番は選ばれた人しかなれねーんだよ」これオレの持論。

「ふーん。でも最後の最後にようやく間近で見れたわ。凄かったわ」



「野球選手とキャッチボール出来て幸せでした。ありがと」センセはペコッと頭を下げた。

「選手じゃないけど…。まあ喜んでもらえて何より…」

「はい!じゃ次!」センセはオレを押して車に乗せる。何か一分一秒も無駄にしたくないような感じだった。

「まだ何かやんの?」助手席でオレが聞いた。

「うちにいこ」

「ああ…へいへい」

センセの部屋。これで当分見納めだな…。

まだ今後も普通に会えると思ってたオレは、センセの部屋でぼんやりとそんなことを考えていた。

「汗かいたから、お風呂の準備してくるね」甲斐甲斐しくテキパキと動くセンセ。

やがて風呂のお湯が溜まったことを知らせるブザーが鳴った。

「じゃあ…いつものように…待っててね」センセはそう言うと風呂場に消えた。



「入って良いよ〜」自分の体を洗い終え、センセがオレを呼んだ。言われた通り風呂場へ。

「あ、来た来た(笑)はい、じゃ汗流してそこに座ってね」いつものように浴槽に浸かり、

顔だけ見せる恰好でオレに言った。

「…ほい。流した」オレはシャワーを体全体にかけ、椅子に腰をおろした。

ザバッと先生が浴槽から出て、オレの背中に立った。

「じゃ、洗いま〜す」ボディソープを手に出し、ゆっくりとオレの背中を洗い出す。

「気持ち良〜い?」

「ああ、うん」もう何回も同じ事をしてもらっても、センセの細い指は優しく、気持ち良かった。

「はい。じゃ前ね」言われた通り振り返る。



「相変わらず逞しいわね」センセはそう言いながら、オレの体を丁寧に洗ってくれた。

いつもなら、ここで出しちゃう?っとなって口でしてくれるんだが…。

「はい。おしまい」

「え?ああ。ありがと」

「あ(笑)今違う展開予想したでしょ(笑)」

「いや、そんなんじゃねーよ」あっさり見透かされた。

「今日は…、今日だけは一緒にイキたいから…」センセは真っ赤になって言った。

「そっか。そうだよな」大してセンセの言ったことを深く理解もせず、ベッドに移動するオレ。

「今日は、S君からしてくれない?」頼まれるまま愛撫。体の隅々まで味あわせてもらいました。

いつもなら恥ずかしい、くすぐったいと嫌がる腋の下やケツも、文句一つ言わず差し出してくれたセンセ。

何回見ても飽きない裸に、オレは見とれながら夢中で愛撫を繰り返した。



「……………もう充分。ありがと」散々感じまくったセンセが、早くもぐったりして言った。

「今度は私ね」センセは体を重そうに持ち上げ、正座してるオレに寄り掛かるようにして、乳首を舐める。

そのまま押し倒された。耳たぶから首、腕、胸と丁寧に隅々まで優しく舐めてくれた。

いつも通りの愛撫だと思いつつ、何か特別に気持ち良かった。

「あ、こんなにおっきくして(笑)お風呂場で我慢したもんね(笑)」全身を愛撫し終えた後、

チンコを優しく撫でながら言った。

「だって気持ち良かったし…」

「こういう時だけ素直だよね(笑)舐めてほしい?」

「ああ、そりゃまあ…」

「だーめ(笑)」

「じゃ聞くなよw」オレの言葉を無視してゴムを探すセンセ。



ゆっくりとゴムを被せ、

「最初は私上ね」言い終わるより早く跨がってきた。

「うぅ〜ん…気持ち…良い…」ゆっくり腰を動かしながら、センセは弱く喘ぎ出した。

センセもたっぷり濡れていたから、滑らかに深く、ズリュズリュといやらしく擦れる音が、喘ぎ声に混ざり部屋に響く。

「センセ…オレもう…」

「んっ!ぇえっ!早いよぅ…。んっ!」腰を振る速度を落としながらセンセが言った。

「んっ!。じゃS君下」ヌポッと抜いてセンセは横たわる。オレが覆いかぶさるようにセンセに重なる。

「いつもより…大きいかも…ああっ!」当分センセと出来ないと思い、オレは必死に耐えた。

多分気を許したら、あっさり果てる…。オレは無我夢中に腰を振った。



「あっ!私もイキそうっ!もうちょっと…。もうちょっとなのぉ…」

センセがオレの髪を引っ張りながら絶頂を迎えようとしていた。

「ね、一緒にいこ。ねっ!ああっ!一緒に…」センセのこの一言で、オレの我慢も限界に達した。

「あっ!オレいくっ!」

「あ…あたしもっ!うう〜ん…。ごめんなさぁぁぁい」いつものように何故か謝り、センセが絶頂に達した。

目をキュッとつぶり、背中に回した手に力を入れ、オレの背中に爪を立てた。

「はあっ!はあ…。イッちゃった…」虚ろな目でオレを見つめ、プルプルと小刻みに震えながら小さく喘ぎ、

ギュッとオレを抱きしめた。もちろんオレも発射していた。

「あっ!抜かないで。もう少しこのままでいよ…」チンコを抜こうとしたオレにそう良い、マンコをキュッと締めた。



最後にしてはあっさりしたセックスだったと、今になれば思うが、

あれほど満足したセックスを、オレはその後も一度も味わっていない。

ゆっくりとゴムを外すセンセ。

「うわ…。こんなに沢山…。気持ち良かった?」

「うん」

「私も良かった〜」ティッシュにゴムを包んで捨てると、センセはいつものようにオレの肩に頭を乗せた。

「ん…キス」センセが顔を上げて唇を寄せてくる。オレもしっかり受け止める。

「ふぅ〜」長かったのか短かったのか、今では思い出せないが、苦しかったことだけは覚えてる。

二人で唇を離して大きく息をついた。

「…今日で最後ね」センセがオレの胸に顔を埋め、突然言った。



「え?なんで?」突然の告白に、オレは驚いた。いや、驚いたふりをしたのかもしれない。

この先もずっと続く関係だと思いながら、心のどこかではこんな展開になるのを覚悟していたような気がする。

「私は教師。アナタは生徒。教師は生徒に教えるものよ。でももう私がアナタに教えられることは何一つないもん。

まあ教師と生徒以上の事しちゃったけどね(笑)」センセはオレを見つめ、微笑んだ。

どこか物悲しいその微笑みが痛かった。

「オレ、東京行ってもセンセの事…」

「ダメッ!それはダメ。お互いの為に良くないよ。S君はちゃんと、心から守りたい人をこれから見つけるのっ!」

「センセじゃだめなの?」

「……………」センセは応えなかった。鼻を啜る音から、泣いていたように思う。



「オレ、センセの事好き…」

「それ以上言ったらぶっ飛ばす!」センセがオレの言葉をさえぎって言った。沈黙の時が流れる。

「東京で、頑張るのよ。会えなくなってもずっと応援してるから。いつまでもセンセだからね」

振り絞るようにセンセが言った。

「うん…」オレは頷くしかなかった。センセの涙と鼻水で、オレの胸がグチャグチャに濡れている。

「センセ…ありがと…オレ頑張るよ」

「ううん。私の方こそありがと。私の期待に100点満点で応えてくれたね。最後の5、あげる」センセは顔を上げ、

涙でグチャグチャになった顔を微笑ませ、優しくキスをしてくれた。



長い間抱き合っていた。この肌の感触を絶対忘れないように、オレはギュッとセンセを抱きしめた。

「…変な女につかまるなよ…」センセがぽつりと言った。

「センセの事忘れるのに、暫く時間かかりそうだし、無い無いw」オレは無理に明るく言った。

「もし変な女に引っ掛かってたら…」

「ん?」

「これ切っちゃうからねっ!」そう言うとセンセはチンコを握り、モゾモゾと布団に潜って行った。

やがて生暖かい感触をチンコに感じた。

センセは最後のフェらをしてくれた。ゆっくり、ゆっくり。

オレも最後だからとイクのを我慢したが、

もう何度もやられてどこが感じるか知り尽くしているセンセにあっさり白旗を上げた。

「んっ!ん…ゴクッ」いつものように飲み干してくれたセンセ。



「この味は一生忘れられないわね(笑)」明るさを取り戻したセンセが、ティッシュでチンコを拭きながら言った。

「そんな…。他の男とやれば忘れるってw」

「あははは。そう願いたいわね(笑)」時計を見ると、もう夜中の2時を回っている。

「泊めたいけど、今日はもう出なきゃならないからね。最後の夜は自宅で過ごしなさい」オレ達はシャワーを浴びて服を着た。

「あ、忘れ物」センセが言った。指差した先には、オレが校一の時にセンセに誕生日プレゼントでもらったギターがあった。

「おお、いかん」うちに一台あるし、センセがメシ作ったりしてる間に練習しようと、置きっぱなしになっていたんだった。



オレはギターケースを手に取った。

「最後に一曲リクエスト(笑)」

「え?『禁じられた遊び』とかで良い?」

「それは厭味か!(笑)」そんな…深読みしすぎだ…。

「ちゃんと歌詞のあるやつ!」

「う〜ん…。じゃあ上手くないと思うけど…」

「わーい」(パチパチ…)

拍手に促されるように、オレは唄い出す。

「優しくしないで〜。君はあれから〜、新しい別れを恐れている〜」黙って聴き入るセンセ。

「愛を〜止めないで〜。そこから逃げないで。眠れぬ夜は〜いらない〜もういらない〜」

見るとセンセは涙をボロボロ流してた。唄い終わるオレ。

「オフコースか。私この歌大好き。古いのによく知ってるね」

「いっつもセンセの車の中でかかってたからね」



「バカッ!最後まで泣かせるんじゃないの!…でもありがと。上手だったよ」



センセの車に乗り込み、うちに送ってもらう。

「明日は何時に出るの?」ハンドルを握りながらセンセが言った。

「さあ…。荷物入れたりしなきゃなんないから、向こうになるべく早く着かなきゃならないし、朝早いだろね」

「お友達が見送ってくれたりするの?」

「いや…」見送ると言ってくれた友達を、オレは断った。どうもそういう場面は苦手で受け付けない。

先にも書いたが、オレは涙脆い。けど絶対泣いたりしたくなかった。

「ふ〜ん。じゃあご両親と一緒?」

「んにゃ、親は引越の車で後から出るって。オレ先に行って鍵もらったりしなきゃなんないから…」



「じゃあ、私がついてってあげるよ」見送られるのはイヤだというオレの気も知らずに、センセは明るく言った。

「え?いや、良いよ。今日もこんな時間だし、寝てなよ」

「遠慮するな(笑)じゃあ、明日…んーと…。何時頃に出るの?」

「んー…、まあ8時半頃か?でもいいって。やめようよそういうの」

「じゃあその時間前にO公園(うちの近くの公園)の駐車場で待ってる」

「一人で行くから良いって」

「やだもん!一緒に最後までいたいんだもん!」

「……へい」

「んっ!(笑)良し良し(笑)じゃあ数時間後ね〜」センセはオレの家の前でオレを降ろし、帰って行った。

最後か…。急に現実に引き戻された気がして、ギターケースを抱えたままオレはボーッと立ち尽くしていた。



「おはよ。晴れて良かったね」定刻に公園に行くと、センセはもう到着していた。

「悪いね、朝早くから」オレは助手席に乗り込む。

「なんのなんの。じゃあ行きますよ〜」寂しさを振り払うのか、センセは明るくはしゃいでた。

新幹線に乗る駅に到着。

「ちょっと早く着きすぎたね」

「うん。まあホームに出てるわ」

「じゃ、私も入場券買ってくる」

「いや、ここで良いって。ホントありがと。お世話になりました」口早にオレは言った。

「何よそれ。絶対ホームまで行くもん!」センセはパタパタと切符を買いに行った。

「…………………」

「お待たせ〜。さあ入ろ」センセはどんどん先行する。



ホームに出て、乗り口に荷物を下ろす。日曜の朝早いので、他の客はまばらだった。

「まだ少し寒いね」センセは身を屈めて言った。3月の終わりは、オレの地元ではまだまだ寒い。

「あ、コート着る?どうせ東京暑そうだし、そのまま持って帰っていいよ」オレは薄手のロングコートを脱いだ。

「ん…。平気。あ、ありがと」コートをかけられ、センセは素直にお礼を言った。

「しっかりね。遊んでばっかじゃダメよ(笑)ご飯もちゃんと作るのよ。コンビニばっかじゃ、ブクブクに太っちゃうんだから(笑)」

「かーちゃんみてーなこと言うなよ。分かってるって」



東京行きの新幹線が入るアナウンスが流れた。

「じゃあ、元気でね。立派なお医者さんになるのよ」センセはニコニコして言った。

新幹線が入ってきた。ドアが開き、荷物を持って乗り込もうとするオレ。と、その時、センセがオレの肘を掴んだ。

「ダメ…。行かないで…。行っちゃヤダ…」俯きながらだったし、

到着と発車のアナウンスが入り交じりよく聞き取れなかったが、センセはオレを引き止めようとした。

「ん?どした?」オレは聞こえないふりをした。引き止められたら間違いなく泣く。そう思ったから…。

「ん…。何でもない。頑張ってね。祈ってるよ」センセは顔を上げてオレを見つめ、微笑んだ。目が真っ赤…。



オレは新幹線の入口を跨いだ。

「これ…」センセがオレに何か手渡す。

「ん?何これ」綺麗に包装された小包みを受け取りながら、オレは聞いた。

「私が小さい時から使ってた辞書。もう古くて載ってない単語もあるけど、側に置いてあげて」

「そんな大事なもん、もらえねーって」

「じゃ、このコートと交換」

「わかった。ありがとな」

ドアが閉まるまで、センセは微笑み続けてくれた。オレも泣かずに済む。

「じゃあ、元気で」オレは手を出した。

「んっ!元気でね」センセは優しく握り返してくれた。ドアが閉まった。ゆっくりと電車が動き出す。

明るく手を振っていたセンセの顔が、急にクシャクシャになった。



手で顔を伏せていたが、片手だけ何とか手を振ってくれた。オレは泣かずに済んだ。

やばかったが、ぐっと堪えた。やがてセンセは視界から消えた。

荷物を持ち席に着く。荷物を棚に上げて、ふとさっき渡された辞書の包装を剥がした。

「随分使いこんでんな…」オレは独り言を言った。まだ学生の頃から使っていたのだろう。

単語にアンダーラインが引かれていたり、注意書きなんかが添えられていて、

オレと会う前の、まだ学生だったセンセに出会う事ができた。

ペラペラとページをめくる。



ずっとページをめくり、裏表紙ってのかな?そこでオレは目を止めた。



『生きた証を残すのだ!本当の自分に出会うのだ!(その日の日付)』



赤いマジックでメッセージが書かれていた。センセ…。ホントありがと。感謝と悲しさが一気に押し寄せる。

人目も憚らずにオレは泣いた。

そして、ここまでオレに尽くし、協力してくれた人とはもう会えないんだと深く痛感した。

初めて後ろ髪を引かれた。しかし無情にも新幹線は着実に東京に向けて進んでいる。

窓から入る日差しが涙で反射して眩しい。太陽にすら泣き顔を見られたくなかったオレは、カーテンを閉めた。

ひとしきり泣き終え、オレはもう二度と泣かないと心に誓った。

東京に到着するアナウンスが流れる。期待と不安、忘れられない、

いや忘れてはいけない思い出を胸に秘め、オレは東京の地に降り立った。



〜別れ完〜





出典:続々と

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