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【彼女・彼氏】浪人生の俺が図書館で女の子に声をかけた【告白体験談】

カテゴリー:彼女・彼氏との告白体験談
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年齢:20代後半

見た目:170cmくらい。中肉中背。

フツメン(だと思いたい)



今は会社員。仕事の出来ない低能サラリーマン。

上司の罵詈雑言を浴びるために会社にいる。



今でこそ、アニメ、ゲームにどっぷりのオタクだが当時はオタクにもなれず、スポ根も嫌いで、帰宅部の、読書好きネクラ非モテ変人高校生だった。

もちろん彼女いない歴=年齢の童貞だった。



余談だが、当時のケータイはモノクロ液晶が当たり前でクラスの半分くらいしか持っていなかった。

当然、俺は持ってなかった。



話は俺の大学受験浪人時代の話だ。




昔話だが続けて良い?取り敢えず、プロローグ的に浪人までの経緯を書く。



某年3月、俺は大学受験に失敗した。



まあ、本命一本に絞り滑り止めも受けなかった単なる自信過剰君だが当時はそれがカッコイイと思っていた。

で、惨敗したわけだ。



受験失敗した高校生の3月なんて、本当にやることない。

パーッと遊ぶ気にもなれないし予備校探すのも気が重い。

予備校のパンフレット見ながらゴロゴロと遊んでたわけだ。毎日。



高校時代、「耳をすませば」みたいな恋愛に憧れ恋焦がれたにも関わらず全く浮いた噂もなく、クラスの女子からの評価は「俺君って・・・いいお父さんになりそうだよね!(苦笑)」だった。

自転車二人乗りして帰る同級生カップルのパンチラを期待するだけの毎日だった。

当時は女の子が立って後ろに乗るのが流行ってて制服のスカートがよくめくれてた。



暇でゴロゴロ遊んでた卒業式までの試験休み。

電話が鳴った。もちろん家の電話だ。



「もしもし。俺です。」

「あ、俺君?」



声を聞いて混乱した。



電話の主は高校2年の時にラブレターを渡して撃沈したクラスメイト・・・

能年玲奈に似てるから玲奈としとこう。



俺:

「はあ、母なら出かけてますが・・・」



玲奈:

「いや、お母さんに用じゃなくて(笑)」



俺:

「はあ?」



玲奈:

「俺君元気?」



俺:

「ん?ああ、まあ元気だよ。浪人決定したからルンルンって

わけじゃないけど」



玲奈:

「私も全滅だよ〜一緒に浪人だね!」



俺:(一緒?ええ?なに?)

「予備校とか決めなきゃな・・・今年はまったく遊べないな」



玲奈:

「そうだね。予備校パンフレットすごい来てる。まあ、私は

自宅浪人でもいいかな〜って思ってる。」



俺:

「ああ、宅浪?ま、結局勉強するのは自分だしな。」



こんな他愛もない会話はそれからも数回続いた。

で、卒業式から数日たったある日、俺は彼女を映画に誘い生まれて初めてデートをして、玲奈からの連絡はそれ以来なくなった。

ま、この上なくダサくて残念なデートだったことだけ書いておく。

甘酸っぱい思い出だ。



だが、それ以来俺の頭には「自宅浪人」という言葉が頭にこびりついて離れなくなっていた。

なんだか玲奈も自宅で頑張ってるんだって思いたかった。



予備校のパンフレットを見ながら母に言った。

「俺、予備校行かないわ。宅浪する。」



これが間違いの始まりだった。

4月から俺は朝図書館に行き、閉館時間まで勉強して自宅に帰る生活が始まった。



家と図書館の往復をする毎日。

親以外の誰とも話をしない毎日。

たった3ヶ月で俺の心は折れた。



宅浪の大変さは受験テクニックが身につかないとかの話じゃないってすぐに気がついた。

孤独感。疎外感。閉塞感。焦燥感。

高校の倫理の授業で「人間は社会的な存在」とか言われた言葉が脳裏に蘇った。

そう、人生で初めてどこの組織にも属さないという体験だった。



今考えれば浪人なんて大したことない。

だが、当時の俺にとってこの閉塞感と焦りは凄まじかった。

夜中に何度も受験会場で白紙の答案を提出する夢を見ては飛び起きた。夜目覚めると吐き気が止まらなかった。



誰かと話したい



今まで、友達付き合いなんて煩わしいさえ思ったこともある。

俺がそんなことを渇望するなんて、自分でも信じられなかった。



昼間の図書館は寂しい人間で溢れている。

寂しい人間は他人を攻撃することで寂しさを埋める。



図書館の職員に因縁つけるホームレスの男や誰彼かまわず話しかける婆さんを見るにつけ、

「俺がああなるのも、時間の問題だ」と思い、逃げるように問題を解いた。



そんな時だった。

俺は一人の女の子と出会った。



彼女は同じ高校の同学生で、クラスは違ったが話はしたことがある程度の仲だった。

彼女が俺を覚えているかは正直疑問だったが。



彼女は歴史コーナーで本を探しているようだった。

時計を見ると昼をちょっと回ったくらいだった。



(ああ、大学生か。レポートのための調べ物かな?

いいね〜大学生は昼間っからいいご身分で)



と内心嫌味たっぷり毒づいた後、さり気なさを装い声をかけた。



彼女の名前は・・・チサトとしておこう。



チサトは身長160cmくらいで細身で華奢な体型。

髪は黒髪で胸くらいまでのストレートロング。

顔は武井咲に似てる感じ。



学校では制服姿しか見たことはなかったが、私服姿のチサトは無印良品の広告みたいなカジュアルな恰好だった。



俺:「やあ、久しぶり。」

チサト:「あ。俺君。久しぶり。」



俺:「なんか調べ物?」

チサト:「まあ、そんな感じかな?」



俺:「なにそれ?大学の課題かなんか?」

チサト:「ってわけでもないけど・・・俺君は何してるの?」



俺:「いや〜。浪人中でね。宅浪ってやつ?

  でも家で勉強しなくてさ・・・それでさ・・・・」



久しぶりに他人と話した快感で喋り出したら止まらなくなってついに図書館の職員に注意された。

なんとなく居づらくなって二人で図書館の外のベンチに座った。一度話しだすと、まだまだ話していたくて



俺:

「ああ、ちょっと飲み物買ってくるわ、なんか要る?」



チサト:

「いや、大丈夫だよ。俺君勉強に戻らなくていいいの?」



俺:

「あ、俺は大丈夫。ごめんね。これからどっか行くとこだった?」



チサト:

「まあ、どこっていうのもないんだけどね。」



なんかココまでの会話で引っかかるものを感じていた。

質問への答えがいつも曖昧なのだ。



だが、この時の俺はそれに気づかなかった。

いや、気づかないことにしたのだ。

目の前に話し相手になってくれる絶好のチャンスがあったから。



俺:

「じゃあ、ちょっと話していこうよ。」



チサト:

「(クスクス笑いながら)うん。まあ、今日はけっこう暇だし。」



それから夢中で喋った気がする。

何を話をしたかはハッキリ覚えてないけど、高校時代のクラスメイトのうわさ話とか、行事の思い出とか話題はいくらでもあった。

とにかく俺は会話に飢えていた。



気がつくと周りはすっかり日が落ちて図書館には閉館の曲が流れていた。

急いで荷物を取りに行くと彼女は申し訳なさそうに「ごめんね。勉強の邪魔しちゃったんじゃないかな?」と聞いてきた。



俺:

「いや、こんなに人と話せたのは浪人始まって以来初めてだよ。あ、そうそう。この図書館よく来るの?」



また、話がしたいって思ったんだ。



チサト:

「うん。最近よく来るかな。そういう時期だし。」



なんか今ひとつ理解できなかったが、彼女がこれからも図書館に来る可能性があることに俺は狂喜した。

その日は家に帰ってからも何だか嬉しくて眠れなかった。



次の日、俺は期待して図書館に出かけたが彼女はいなかった。

勉強を15分おきぐらいに中断しては図書館中を徘徊して彼女を探した。

いない。



それから2週間ほど経ったある日の夕方いつもの用に徘徊していた俺は彼女を見つけた。



俺:

「おお、また会ったね。」



チサト:

「俺君、本当に図書館に毎日来てるんだね。」



俺:

「他に行くとこないしな。」



チサト:

「あたしも似たようなものかも・・・」



俺:

「え?」



チサト:

「ああ、気にしないで」



その頃からだ。

何か彼女の影を感じ始めたのは。

会話の端々に現れる違和感。



それから僕らは図書課の近くの公園のベンチで話し込むのが日課になっていた。

季節は夏に向かっていた。

初夏のベンチで缶コーヒーを飲みながら僕らは日が暮れるまで話続けた。



その晩、ケータイの番号とメールアドレスを交換して別れた。

ケータイは浪人した時に買った。アドレス帳に登録してある名前を見ると友達がいるって実感できて安心した。



ケータイで連絡取り合うようになってから彼女と会うのは楽になった。



俺メール:

「今日も図書館来る?」



チサトメール:

「今日は18:00くらいに行くかな」



もう、夕方から夜まで公園のベンチで話すのは日課になっていた。

雨の日はコンビニの軒下や公共施設で話し込んだ。



しかし、彼女について俺はあまりにも知らないことが多いことに気がついた。

家族構成、住んでる所、昼間なにをして過ごしているのか自分のことは一切話そうとしなかった。



だんだん、話す時間が長くなって22時を過ぎても話し込んでた。

不審に思った俺の親から携帯に電話があって



母:

「お夕飯冷めてるよ。図書館閉まったでしょ?何やってるの?」



俺:

「ああ、ちょっと友達と会ってさ。久しぶりだから遅くなる。夕飯は温めて食べるよ。」



親は俺が他人と話したくてノイローゼ気味になってたの知ってたから友達と話してるって言ったら急に優しくなった。

で、その時ようやく気づいたのだ。

彼女の親は心配しないのかと・・・



俺:

「あのさ、最近毎日話してるけど、家の人さん心配しないの?」



チサト:

「さあ、どうなんだろ。(笑顔)」



俺:

「まあ、引き止めてる俺が悪いんだけどさ。あんまり遅くならない方がいいね。俺、送って行くよ。」



チサト:

「ああ・・・気にしないで。大丈夫。ホント。」



俺:

「でも・・・家、遠いの?」



チサト:

「いいから、いいから。本っ当に大丈夫だから。俺君も早く帰らないとお母さん心配するよ。」



その日俺は一人でとぼとぼ帰った。

彼女の家には何か問題がある。

鈍感な俺でも薄々気づいてきた。



8月。世間はお盆休み真っ盛りだったが、無職自宅浪人の俺はそもそも毎日夏休みなので実感が湧いてなかった。

チサトと話していたある夕方だった。



高校のクラスの問題児だったヤツの話に盛り上がっている時に気が大きくなっていた俺は



「普通の家は両親が揃ってるもんじゃん。あいつは片親だからさ。」



と、普段だったら決して口にしないような発言をした。



言葉にした途端。その言葉が凍りついて目の前に落ちてきたような気がした。

俺とチサトの間が一瞬凍りついたのだ。



チサトは笑顔で「ああ、そうだね〜」とか言っていた。

でも、目が悲しそうで、寂しそうだった。



はとっさに謝った。

「あ、ごめん・・・その・・・俺の家庭がスタンダードみたいな言い方は良くないよね。」



チサトは一瞬息を吸い込んで

「俺君は謝らなくていいと思う。幸せな人は幸せのままでいいと思う。」



俺:

「・・・」



チサト:

「・・・」



その時だった。



俺はチサトの手首に切り傷を見つけた。

一瞬だったが、彼女は俺の視線を見逃さなかった。

ぱっと彼女が動くのと、俺が彼女の腕を掴むのが同時だった。



俺:

「この傷は・・・」



チサト:

「俺君は・・・知らない方が良い。」



俺:

「でも・・・」



チサト:

「世の中にはね、俺君みたいな幸せな人は知らないことがいっぱいあるの。とにかく私は大丈夫だから。」



彼女はその日は足早に帰っていった。



俺はこの頃からほとんど勉強していない。

簡単に言えばチサトを救うっていう大義名分を作って受験から逃げたんた。

夏の終わり頃になると、たまたま出会う予備校組の友達と模試の結果の話なんかになる。



友人:

「模試の結果どうよ?ようやく旧帝大あたりがB判定だよ。浪人始めた時はもっと成績上がると思ってたよな。」



俺:

「ああ・・・俺さ。なんかマーク欄間違えて、女子大とか受験科目違う学部選んじゃったりして・・判定不能だったよ。」



友人:

「お前、なにやってんだよ。それセンターでやったら終わりだぜww」



俺:

「あはは。そうだよなww」



なんか、浪人している友人たちにも置いていかれた気がした。



俺は図書館にこもっていたが、ほとんど心理学とか精神医学の本を読み漁っていた。



親が自殺した子供の家庭環境とか、リストカットする子供の心理とかメンタルヘルスなんて言葉は当時知らなかったが、完全にその分野の虜になっていた。



夕方のチサトとの会話は秋になってもずっと続いていた。

俺はよくカマをかけるようになった。

そこから彼女の心理を読み取ろうと必死だった。



俺:

「よく図書館で本借りていくけど、どんなの読むの?」



チサト:

「うーん、小説は村上春樹とかが多いかな。」



俺:

「結構借りてるじゃん、それだけじゃないでしょ?」



チサト:

「まあ、イロイロね。」



俺:

「見せてよ。俺も結構守備範囲広いから読んでみたいし」



チサト:

「趣味じゃないと思うけどな・・・」



バッグから出てきた本は

『十五歳の遺書』

『分裂症の少女の手記』

などなど・・・ヘビーなものばかり。



多重人格に関する本を一冊だけ貸してくれた。

まあ、図書館の本の又貸しはマズイんだが・・・



彼女は俺の目を見て悲しそうに言った。



「俺君は優しいから、こういうの読まない方がいいよ。

どんどん深みにはまっちゃう。」



秋の風がチサトの長い髪を揺らした。

髪を掻き上げた瞳は涼しげで電灯に照らされた彼女は本当に綺麗だった。

本を受け取った時、僕は恋に落ちた。



季節は木枯らしが吹く冬に向かっていた。

あいも変わらず、僕は図書館でグダグダして、彼女は昼間謎の活動をしては夕方になると図書館に来ていた。



変わったことといえば、僕が恋したことぐらいだろう。

僕は彼女のことが知りたくて、イロイロ聞き出そうとするけど、チサトは自分のことはいつもはぐらかして終わる。



それ以上追求したら、どこか遠くに行ってしまいそうで、俺は口をつぐむ。



街がクリスマスのイルミネーションで彩られた寒い夜だった。



チサトはポツリとこういった。

「もう年末かぁ。どこか・・・見つけないとな。」



俺:

「え?」



チサト:

「いや、なんでもない。俺君には迷惑かけられない。」



俺:

「なに?いや、俺にできることなら何でもするよ。」



チサト:

「ちょっと・・・イロイロあってね・・・年末は家にいたくないんだ。」



俺:

「どういうこと?」



チサト:

「あの人たちがくる・・・」



俺:

「誰?あの人たち?」



薄笑いを浮かべたチサトは遠くを見ながら



「洗濯ばさみってね、使い方によっては・・・ものすごいことができるんだよ。」

と意味不明なことを言った。



俺は焦った。言っていることの意味の半分も分からない。

でも、思ったんだ。



彼女を守らなきゃいけない。



俺:

「ちゃんと伝えてくれなきゃ、力になれないよ。」



チサト:

「・・・あの人たちはね・・・大勢で私を囲んで・・・・それから・・・」



急に両手で耳を塞いで頭を振るチサト



ちょっと普通じゃない。

落ち着いたチサトは

「ごめん。もう思い出したくないし。俺君も聞いてもいいことない。」

目にはうっすらと涙が浮かんでた。



それから泣きそうな顔で無理やり笑って

「こんな話、俺君にしか話したことないよ。」

と呟いた。



その時何を考えたのか、覚えていない。

俺は彼女を抱きしめた。

そしてチサトの耳元でささやいた。



「俺の家に来いよ。大丈夫。俺が君を守る。」



そして初めて女の子とキスをした。

チサトは腕の中で泣きながら呟いた。



「どうして私なの?私じゃダメなんだよ・・・どうして・・・」



チサトはずっと泣いていた。

初めてキスはしょっぱかった。



家に帰ってから俺は両親を説得した。

守りたい女の子がいる。

どうも虐待を受けているようだ家でしばらく預かりたい・・・と。



受験も間近に迫っている時期だし猛反対されると思ったが親は案外簡単にOKしてくれた。

後で聞いた話だと、チサトの親権者に訴えられて際に警察に突き出されるのも覚悟したらしい。



家は一軒家だし、広さ的には一人増えるくらいは問題なかった。

チサトと俺の共同生活が始まった。



その頃には彼女は大分打ち解けてきて、昼間はバイトをしているとか実家の大体の場所とかは教えてくれるようになっていた。

相変わらず家族については謎だったが・・・



共同生活は初めは上手くいっていた。

お互い探り合いだけど、家族もチサトも気遣いながら暮らしていた。



でも、そんなママゴトみたいな生活は長く続かない。



生活の些細なことが気になりだし、苛立ちに変わる。

他人と暮らすのは難しい。



家族の目にチサトの行動はだんだんと傲慢に映る様になった。

チサトも我が家に対して不満気な様子だった。



チサトが使った後の台所は母が使いにくいとか、風呂の使い方とか・・・些細なことだ。

そんな些細なことが積み重なって1ヶ月もすると、なんだがギクシャクしてきていた。



そんな生活で忘れていたが俺は受験生である。

しかし、夏以降全く勉強していない。



俺のストレスは頂点に達していた。

勉強していないが受験は目の前。



家の中の人間関係はグチャグチャ・・俺のせいだけど。

ギリギリの生活を続ける中、家に二人きりの時に僕らは男女の仲になった。



キスをしながら下着の中に手を入れると少し湿っていた。

何もかもが初めてで

目の前のことが信じられなかった。



俺はチサトにずっと「嫌じゃない?」と聞いていた気がする。

チサトは小さく頷いてくれた。顔は真っ赤だった。

「明るいから電気消して」って何度も言われた。



でも、消したら見えないし、どうしたらいいのか分からないから電気はつけたまま彼女の服を脱がした。



お互い初めてで、何をどうしたら良いのか分からなかった。

初めて女の子の乳首を吸った。

チサトはくすぐったいって笑ってた。



いよいよ身体を重ねることにしたんだけど、マジ?ってくらい何処に入れたらいいのか分からなくてチサトに聞いた。

チサトも「知らないよぉ」と真っ赤になって恥ずかしそうに答えるだけ。

無理やり押し当てたら。「痛い・・ちょっと待って!」と腕を突っ張られその日は挿入は断念した。



ただただ裸で抱き合ったことに興奮していた。



それを境に俺は猿みたいにチサトを求めた。

家族の目を盗んではチサトを抱いた。



季節は一気に受験生を追い立てる。

リビングで願書を書きながら俺はチサトに聞いた。



俺:

「大学にはいかないの?このままバイトで食べていくの?」



チサト:

「大学かぁ、いけるといいよね〜」



しかし、もう受験は目前である。

悠長すぎるチサトを叱咤した。



俺:

「何言ってるんだよ。受験するなら、

もう時間ないよ。」



チサト

「俺君みたいに簡単じゃないんだよ。

大学行くのも、私みたいなのは」



俺:

「お金?」



チサト:

「それもあるけど・・・」



俺:

「金か・・・それなら新聞配達の奨学生とかは?」



チサト:

「調べたことあるよ。あれは条件厳しいし。無理」



俺:

「そんな簡単に諦めるなよ。」



チサト:

「不幸な人には不幸なことが重なるようにできているの。」



俺:

「それで終わらせる気?願書買いに行くぞ!奨学金制度で行ける大学だって夜間部だってある!」



チサト:

「もう、調べたよ。それに夜間部なんか行く気ない。」



俺:

「何言ってるの?お金ないんだったら、昼間働くしかないじゃん?」



チサト:

「とにかく夜間部は嫌。」



チサトの親戚にお金は出してもらえないのかと聞いた。

答えは「どうだろうね?」だった。



金はない。奨学金は嫌。夜間部は嫌。

・・・八方塞がりだ。



そんな時、彼女が一通の願書を買ってきた。

名前は当然伏せるが某有名大学だ。学費も高い。



は?なんでそんな学費が高い名門校を?



俺は親父に頭を下げた。

彼女の保証人になってほしいと・・・



親父はだまって印鑑を押してくれた。



スラスラと願書を記入していたチサトの手が止まった。

チサトは保証人の記入欄をジッと見つめてた親権者が印鑑つくのが一般的なんだろうな。

チサトは泣いていた。



「やっぱりね。私、こんな保証人頼める人なんて・・いない。」



俺:

「親戚は・・・誰も味方いないの?」



チサト:

「あのね。俺君、いたら私ここにいない。」



それもそうだな・・・



一方、俺は2浪目を覚悟した。

全然、勉強していないのに、どこにも受かるわけないと覚悟を決めた。



でも、女の子を家に連れ込んで、挙句に一年棒に降って受験しないとか言ったら一年間、タダ飯食わしてくれた両親にあまりに申し訳ないので形だけ受験した。

本命とすべり止め併せて4校くらい受けた。



試験はひどいものだった。

周り受験生がみんな賢くて眩しく見えた。

三角関数や微積分の公式なんかほとんど覚えてなくて受験会場で定理から公式を導く始末。



問題の意味など半分も分からなかった。



結果発表のシーズン



俺は奇跡的に滑り止めに受かってた。

受かると思っていなかった家族はポカーンとしていた。

いや、俺が一番ポカーンとしていた。



そんな中、チサトが合格発表を見に行って帰ってきた。



「○○大学、受かってた」



そう、例の名門大学である。

これから入学金の支払いをするという。



ちょっと待て。金ないんじゃ。。。?

てか、受かったの?

勉強してなかったよね・・・?



色んな思いが交錯する俺を尻目にチサトは面倒くさそうに「まあ、何とかなる」と行って、さっさと銀行に行ってしまった。

え?金の工面をさんざん考えた俺は何だったんだろう・・・・?



季節は春に向かっていたが、チサトは相変わらず居候だった。



チサト:

「大学行くんだったら一人暮らししたい。」



俺:

「え?あの、、お金は・・・?バイトするの?」



チサト:

「○○大学の授業はハイレベルだからバイトなんかしてられない」



俺は混乱していた。



寒空に泣いて困っているチサトを保護した気になっていた。

でも、最近のチサトはなんか違う。



別にそんなに困っていないってオーラをだしつつ家からは出ていかない。



この辺りから家族との不協和音はひどくなる。

家では表立って誰も口を効かなくなった。



外に出た時、母はポツリと言った。

「あんたが滑り止め合格で、チサトさんは名門校ね・・・で、あの子これからどうするの?」



俺:

「彼女もアパート探しているところなんだよ。そのうち見つけてくるって」



母:

「お金どうするの?」



俺:

「バイトはしないってさ・・・よくわかんない。」



母:

「(ため息)よくわかんないわね。」



俺の卒業した高校では浪人した人は進路決定後、高校に届け出る制度になっていた。

多分、電話でも済ませられたんだろうけど、懐かしさもあって高校に届出に行った。



職員室に行くと、英語教師のK先生だけ出勤していた。

ちなみにK先生は30代後半の女性教師だ。独身らしい。



K先生:

「あら、久しぶり。どうしたの?」

俺:

「進路決まったので報告に」



K先生:

「わざわざどうもね。ちょっとお茶でもどう?」



K先生は職員用の雑談テーブルに灰皿を持ってきてタバコに火をつけると、ペットボトルのお茶を投げてきた。



俺:

「あ、どうも」



K先生:

「まあ、座りなさいよ。でも良かったね。おめでとう。どこの大学?」



俺:

「△△大学(滑り止め三流大)です。」



K先生:

「ふーん。まあ、良かったじゃない。」



俺:

「不本意ですけどね。」



K先生:

「ま、受験は時の運。それよりさ・・・」



先生はちょっと目を上げて俺を見据えて言った。



「チサトさん。あなたのところに居るんでしょ?」



俺:

「え?」



K先生:

「やっぱりね。・・・あのバカ!あれだけ言ったのに。」



俺:

「あの・・・どういうことですか?」



先生はタバコの煙を一気に吐き出した。



K先生:

「今度はあなたがターゲットになったのね。すぐに追い出しなさい。」



俺:

「いや、何の話だか・・・」



K先生:

「貴方のところに行く前は私がイロイロ面倒見てたのよ。・・・あの子は私を慕っていたわ。」



俺:

「・・・」



K先生:

「俺君は知らないでしょうけど、受験の相談にも乗ってたのよ。電話でね。まあ、私が紹介した夜間学部とか奨学金制度とかは全部跳ねつけられたけど。」



俺:

「ずっと不思議だったんです。彼女、そんな贅沢言える状態じゃないと思うんですけど」



K先生:

「俺君、あの子の家族のこと知らないの?」



俺:

「いや、あえて聞きませんでした。」



K先生:

「ホント、お人好しね・・・私はあの子の親とも面談したわよ。まあ、担任だしね。」



ああ、K先生はチサトの担任だったっけ・・・とかぼんやり考えてた。



K先生は守秘義務があるから細部は話せないと前置きしてチサトの家族について説明してくれた。

もちろんここで詳細に書くことは憚れる。



大雑把に書くとチサトの家は資産家だが、いろんなゴタゴタがあってチサトは親戚に引き取られて育てられたらしい。



俺:

「あの、虐待は・・・?」



K先生:

「俺君さ。虐待されたって本人の口から言った?俺君が想像しただけじゃないの?」



俺:

「まあ、そう言われればそうですけど。」



K先生:

「それはチサトさん、っていうかあのタイプの典型的なやり方ね。思わせぶりな言動で想像させて、相手を動かすの。で、結果的には他人が勝手にやってくれたって事になるわけ。今回の俺君の件だって、どうせ俺君が俺の家に来いとか言ったんでしょ?」



俺:

「(千里眼?)・・・はい。」



K先生:

「私もね。始めはあの子の力になろうとした。親からの虐待も受けてるって信じて動いた。でもね。違うのよ。全部あの子の妄想。で、私がそのことに気がついたらサーっといなくなったわ。次は貴方のところに行ったのね。」



俺:

「なんで俺のところに居るって思ったんですか?」



K先生:

「公園で話し込んでる二人をたまたま見かけてね・・・ピンと来た。あの時、忠告すべきだったと後悔してるわ。」



俺:

「(軽く混乱)・・・あの、でも俺彼女を守りたいんです。」



K先生:

「俺君・・・彼女と肉体関係になったの?」



俺:

「・・・はい。」



K先生:

「へえ、あの潔癖な子がね。男に身体を許したか。アハハ進歩したね。君も大人の面構えになったよ。でもね。もうあの子は追いだしな。君はもう、自分の人生かけてあの子を守ったし、これ以上関わっても誰も幸せにならないよ。」



俺:

「いま、一人暮らしするってアパート探してます。でも、なかなか見つからなくて」



K先生:

「・・・貴方には酷かもしれないけど、無理やりでも追い出しなさい。あの子には帰るべき家ちゃんとあるんだもの。」



先生はやり切れなさそうにタバコの煙を吹いた。

俺は何が起きたんだか混乱しながら家に帰った。



家に帰り着くとチサトの様子がなんだかいつもと違っていた。

夕飯も早めに切り上げて、本を読み始めた。



俺:

「どうかした?」



何気なく尋ねた。



チサトは怖いくらい睨みつけて言った。



「・・・ねえ。今日K先生に会ったんでしょ?私のこと追い出せって言ったでしょ?」



寒気がした。とっさに嘘をついた。



俺:

「いや、数学のI先生とかに受験の結果報告したけど。それくらいだよ。」



チサト:

「隠しても無駄。私、分かるんだからね。」



俺:

「(寒気)いや、何言ってるんだよ。」



チサト:

「あなたも、K先生のこと信じるんだ。あなたもK先生と同じね。K先生は私の親の言う事、あっさりと信じちゃった。」



俺:

「なに言って・・」



チサト:

「どうせ、あなたも「あの人たち」の言う事を信じるんでしょ。目の前の私よりも。私がどれだけ痛いって叫んでも、辛いって叫んでも・・・私の声は誰にも届かない。」



チサトは泣いていた。ずっと泣いていた。

抱きしめたけど、拒否された。



その2日後、ずっと見つからなかったアパートが見つかった。

引越しの日取りも決まり、チサトと俺の共同生活は終わった。



今でも、俺には誰の言葉が正しいのか分からない。



チサトは虐待を受けていたのかも知れない。

K先生の言う通り、チサトの妄想だったのかも知れない。

自分の見ている世界と、他人の見ている世界は実はまったく別の世界なんじゃないだろうか?

今でもたまにそんなことを考える。



ともかく春が来た



チサトと俺は大学生になった。

止まっていた時間が動き出した。



このあと、しばらく俺とチサトの交際は続いた。

だけど、それは冷め切っていて、虚しいだけの関係だった。



数カ月後、僕達は全くの他人になった。

チサトが今どうしているのか全くわからない。

きっとこの空の下で元気でいることを祈る。


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2014年1月31日 | 告白体験談カテゴリー:彼女・彼氏との告白体験談

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